検索アイコン

サイト内検索

商品内検索

第502号 1999(H11).12発行

PDF版はこちら 第502号 1999(H11).12発行

 

 

緩効性被覆肥料を用いた
中晩柑に対する施肥合理化技術

愛媛県立果樹試験場 生産環境室
主任研究員 石川 啓

はじめに

 農業は元来,物質循環を基本とする環境と最も調和した産業であるが,その一方で,現在,農薬や肥料の過剰投入に起因する環境への負荷増大が懸念されている。カンキツ生産現場においても,特に中晩柑は,樹勢維持と大玉果生産が目標であることから,肥料の多投入が実施されることが多く,溶脱した肥料成分による環境負荷は無視できないものと思われる。

 また,中晩紺の施肥は春肥(3月上旬)・夏肥(6月下旬)・初秋肥(8月下旬)・晩秋肥(11月上旬)と年間4回に分施する必要があるが,本県のカンキツ園は大部分が傾斜地に位置し,しかも,その60%以上が15度以上の急傾斜地であるため,生産者の高齢化や労働力不足が進む中,施肥作業は時間的労力的に大きな負担となっている。

 これらのことから,今後のカンキツの施肥は,生産量や果実品質を低下させないことを前提に,施肥量及び施肥回数を低減できる方法,すなわち環境保全型省力施肥法を確立する必要がある。このため,現在,当場では,緩効性被覆肥料を利用した中晩柑の施肥量,施肥回数の低減法についての試験を実施している。今回は,平成7年度から9年度まで行った試験結果を中心に環境保全型省力施肥法への取り組みについて紹介する。

試験の概要

 供試品種として,本県の特産中晩柑である宮内伊予柑を用いた。肥料は緩効性被覆肥料の中の被覆尿素(N:40%)を供試した。被覆尿素は30から180までの銘柄があり,この銘柄は25℃の静水中において肥料中のチッソが80%溶出するのに必要な日数と一致する。

 従来,被覆肥料は,果樹栽培においては地力チッソ的な意味で用いられることが多かった。しかし,1990年代に入ってS(シグモイド)タイプのものが開発され,チッソ溶出時期のコントロールが容易になった。Sタイプとは,施肥後ある一定期間は溶出が抑えられ,それを過ぎると徐々に溶出する遅効タイプの被覆肥料である。

 これによって,図1のように例えば,10月に速効タイプ(30日溶出タイプ)と遅効タイプ(S100日溶出タイプ)を同時に施用すると,速効タイプは施用後直ちに溶出を始めるため,晩秋肥の効果が狙え,遅効タイプは3月以降に溶出するため,春肥の効果が期待できる。このように,溶出を想定して銘柄を選択することによって,1回の施肥で2回分の施肥効果が狙えるわけである。

 試験区では,30日溶出タイプとS100日溶出タイプを等量混合して施肥し,施用時期は,表1のように6月下旬(夏肥と初秋肥の効果期待)及び10月中旬(晩秋肥と春肥の効果期待)の年2回とし,施肥回数低減の可能性について検討した。被覆尿素はチッソのみの単肥であるため,リン酸は過燐酸石灰,カリは硫酸加里を使い,対照の化成肥料(燐硝安加里化成N:16・P:10・K:14%)と同量を年間2回に分けて施用した。

 対照区は,県基準に従い,年間4回施用とし,チッソ32kg/10a/年とした。また,被覆肥料は肥効が緩やかであるという特徴を持つため,溶脱が少なく利用率の向上が期待できることから,チッソ量を県基準の約60%とした被覆肥料B区を設け,施肥量低減の可能性を調査した。

被覆尿素の溶出と土壌中のチッソ含量への影響

 実際の土壌中における被覆尿素からのチッソ溶出を図2に示した。平成8年6月下旬に施用した被覆尿素からの溶出は,7月下旬までに速効タイプのものが約80%,遅効タイプのものは約8%であったが,8月下旬になると,速効タイプ約10%,遅効タイプ約60%となり,遅効タイプの溶出が開始されたことがわかる。また,10月中旬に施用した場合は,速効タイプが11,12月に約80%溶出しており,平成9年4月以降になると遅効タイプのチッソが溶出されている。このことから,6月施用の遅効タイプの溶出がやや早い点,10月施用の遅効タイプの溶出がやや遅い点等,若干問題点もあるが,土壌中では概ね想定に近い溶出パターンが得られた。

 しかし,施用法による溶出速度の違いも認められており,図3は地中と地表における溶出率の差を示している。被覆肥料は,土壌と混和された場合に比べ地表面のみの施用では溶出が遅れており,また溶出率も低くなっている。これは,地温と土壌水分の差の影響と考えられるが,裸地状態における表層施用では溶出が不安定になる可能性があると思われた。

 図4は各試験区の土壌中の無機態チッソ含量を2ヵ年に渡って経時的に調査した結果を示している。被覆肥料A区についてみると,平成8年・9年ともに春期に増加が認められ,3月上旬に施用した化成(対照)区と同様なパターンを示した。これは前年の10月に施用した遅効タイプの溶出に伴うものと忠われた。また,平成8年は秋期以降も化成区と類似した上昇パターンを示し,6月施用の遅効タイプ由来のチッソによるものと推測された。

 平成9年は秋期のチッソ含量の上昇はみられないが,化成区も同様であり,降水量の影響(秋期の多雨)と思われた。このように12月の含量が化成区に比べやや少ない点を除けば,A区は増減のパターン及び含量ともに年4回施用の化成区と同等の施肥効果が認められた。

 一方,施量を60%とした被覆肥料B区については,含量はやや少ないものの,増減パターンは類似していた。これらのことから,被覆尿素は,土壌中においでほぼ期待に近い溶出を示し,その溶出に伴ってチッソ含量が増加することが明らかとなった。

葉中成分に及ぼす影響

 施肥肥料成分の樹体による吸収をみるため,葉中成分を調査した。葉中チッソ含量の推移については,いずれの処理区も夏期にかけて含量が高まり,秋期にピークを迎え,冬期以降は漸減する類似したパターンを示した。時期別のチッソ含量の多少を比較すると,被覆肥料A区は概ね対照の化成肥料区と同等かそれ以上で推移した。施用チッソ量の少ない被覆肥料B区については,平成7年は化成肥料区と比べ夏期と冬期にやや少ない傾向がみられたが,平成9年は逆に夏期において高い含量を示した(図5)。

 葉中リン酸及びカリ含量については,年時差はみられるものの,処理区間に一定の傾向は認められなかった(図6,7)。

 葉中成分は,必ずしも施肥成分のみの由来ではなく,例えばチッソでは,施肥チッソ,地力チッソ及び貯蔵チッソが供給源となるため厳密な判定は難しいが,その増減パターン及び含量から,被覆肥料の年2回施肥でも化成肥料の年4回施肥とほぼ同等の吸収が行われていると推測された。また,施肥チッソ量を60%にした場合でも,比較的良好に吸収されており,利用率が向上した可能性があると考えられた。

収量・果実品質への影響

 3ヵ年の累計収量については,被覆肥料A区は化成肥料区に比べ約6%多くなり,被覆肥料B区は約7%少なくなった。1果平均重(3ヵ年の平均値)については,被覆肥料B区,化成肥料区,被覆肥料A区の順となったが,大差はなく,いずれの区も大部分が収益性の高い2L級以上の大果となった(図8)。

 収量及び1果重は摘果の影響を受けやすく,摘果程度が強い場合は,1果重は増大するが収量は減少する。試験区は,できる限り同様な管理を実施するようにしているが,被覆肥料B区の収量が少なかった一因として施肥チッソ量以外に摘果の影響も無視できないと思われた。

 果実品質については,収穫時(12月中・下旬)の果皮の着色程度は,各区ともに9分着色以上でほとんど差がみられず,果皮の紅の濃さは,被覆肥料A区のものがやや濃い傾向にあった(図9)。

 果皮の粗滑及び果肉歩合も,区間に差が認められなかった(図10)。果汁の糖度は区間にほとんど差はみられなかったが,クエン酸含量は化成肥料区でやや低い傾向にあった(図11)。しかし,各区間の差に各区内のバラツキを加味して検討すると,果実品質については,いずれの調査項目においても有意な差は認められなかった。また,3月まで貯蔵した果実の品質についても同様であった。

まとめ

 緩効性被覆肥料を用いた中晩柑(イヨカン)の年2回施肥法は,肥料からのチッソの溶出パターン,土壌中の無機態チッソの動態,新葉の肥料成分の吸収及び収量・果実品質等,3ヵ年の試験結果のみから判断すると,慣行の年4回施肥法と同程度の施肥効果があると考えられた。

 また,施肥チッソ量を低減した場合,土壌中の無機態チッソ含量は低く推移し,それに伴って葉中チッソ含量も年次によってはやや低くなる時期があった。しかし,9月葉のチッソ含量は好適値の範囲内にあり,肥効が穏やかな被覆肥料は溶脱量が少なく,利用率を向上させる可能性があると思われた。今回の減肥区(被覆肥料B区)は県基準の約60%と極端な設定で実施したため,果実品質に差はみられなかったものの,摘果の影響もあるが,収量がやや減少する傾向が認められた。このため,減肥の割合は少なくとも40%以内とした方が良いと考えられた。

 被覆肥料を利用した環境保全型施肥法を検討していく場合,やはり基本的には土づくりが重要であり,いかに溶出が穏やかな被覆肥料と言えども,溶出したチッソを吸収するための細根が少なく,分布が狭ければ,利用率の大幅な向上は期待できず,また土壌に腐植が少なくCECが低い場合も,保肥力が弱く溶脱され易くなる。したがって,土づくりを実施した上で,減肥を被覆肥料を利用して行えば,相乗効果が期待できると思われる。

 一方で,被覆肥料は施肥法(表層施用)によっては,溶出が不安定になるという問題点がある。現在の果樹の施肥法は,表層施用が一般的であることから,今後,溶出を安定させるための地表面管理法について検討する必要がある。また,今回の試験では被覆尿素を用いたためリン酸・カリは単肥で年2回のみの施用としたが,その影響は明らかではなかった。しかし,長期的に考えた場合何らかの悪影響がでる可能性が懸念される。

 このため,当場では平成10年度から供試肥料をリン酸・カリも溶出がコントロールできる被覆化成肥料に変更し,施肥時期も地温が高い春期・初秋期の年2回に設定して試験を実施している(図12参照)。また,コスト面を考慮し,従来の有機配合肥料とシグモイド型被覆化成肥料との組み合わせについても検討中である。

 従来のカンキツの施肥は,高収量と高品質のみを追及して実施されてきた。しかし,現在はより省力的で環境に優しい施肥法を確立することが急務となっている。緩効性被覆肥料の利用は,そのための有力な手段の1つであると考えている。

 

 

ケイ素の生物学-12-

京都大学名誉教授
高橋 英一

おわりに -事実と解釈-

生体元素としてのケイ素の特異性

 これまで生物とケイ素のかかわりについて見てきましたが,全体を通して認められる事実は,生物はケイ素を保護あるいは支持組織の素材として利用していることです。

 第四回で述べたように,生物は骨格物質に無機物としては二酸化ケイ素(シリカ)か炭酸塩(炭酸カルシウムあるいはリン酸カルシウム)のいずれかを使っています。しかしシリカを選択しているのは原生動物と海綿動物までで,それ以上の高等な動物ではすべてカルシウム型になっています。シリカは炭酸カルシウムやリン酸カルシウムとちがって,大型の外骨格(殻)や内骨格(背骨)を作るのに適さないようです。

 多くの海棲生物がシリカより炭酸カルシウムの骨格をもつ理由として,海水が炭酸カルシウムに関して過飽和状態にあることが指摘されています。このような環境中では,呼吸由来の炭酸ガスを使って炭酸カルシウムの核を作れば,そのまわりに炭酸カルシウムを析出させて殻を形成してゆくことが容易になります65)。これに対して海水中のケイ酸濃度は数ppmに過ぎないので,それを重合固化させるにはエネルギーを使って体内に著しく濃縮する必要があります。

 原生動物や海綿動物にはシリカ型と炭酸カルシウム型の両方が存在しますが,面白いことに海綿動物の中には一生の内にシリカ型から炭酸カルシウム型ヘ移行するものがあります。

 すなわち硬骨海綿では,はじめケイ酸質の骨片ができ,ついでそれらは有機質のマトリックスに包まれ,最後に石灰質の骨格の中に埋まります。さらに興味深いのは第五回で紹介したように,これと似た現象が脊椎動物の骨化にも見られることです。これらは「ケイ酸化から石灰化ヘ」という一定の方向性をもった進化を示唆しており,ヘッケルの仮説「個体発生は系統発生を繰り返す」を思いださせます。

 植物では単細胞藻類のケイ藻のシリカ被殻が有名ですが,陸上植物にはこのようなシリカの骨格をもったものはありません。陸上植物の支持組織は,セルロースを主体とする有機物からなっています。

 植物の細胞は動物にはない丈夫な細胞壁に包まれています。また細胞内にも動物にはない液胞があり,液胞液にはいろいろな成分が溶け込んでいて高い浸透圧を生じ,水分を吸収して細胞壁を内側から強く押し上げています。植物の細胞は強い圧力の空気のつまった丈夫なタイヤのように,これを接着してゆけば構造物を作り得るだけの強さをもっています。これに対して薄い細胞膜に包まれただけの動物の細胞は,豆腐のように脆弱です。ここに植物には動物のような骨がないにもかかわらず高く直立し,沢山の枝や葉をつけることができる秘密があります。

 陸上植物は動物のようにカルシウムやケイ素の骨格をつくることはありませんが,有機質の細胞壁を補強するのに役立てています。カルシウムは細胞壁の繊維間を架橋して丈夫にしています(ホウ素も同様の役割をしており,これは細胞壁をもたない動物にはホウ素が不要であることの説明になります)。一方ケイ素は細胞壁の内外にシリカとなって沈積し,細胞の機械的強度に貢献します。

 ケイ素の吸収形態であるケイ酸(H4SiO4)は分子状で蒸散流によって地上部に運ばれ,水分の蒸発とともに濃縮されると重合してシリカゲル(SiO2)となります。この陸上植物に特有な蒸散作用によって葉や茎の表面がケイ質化され,病虫害や過蒸散を抑制する働きをします。またケイ酸のこのような性質は,ケイ酸が高濃度集積しても過剰害を引き起こさない原因にもなっています。

 シリカを骨格物質として利用している放散虫やガラス海綿やケイ藻などにとって,ケイ素が多量必須元素であることは容易に理解できます。水中でケイ酸を吸収濃縮するために,これらの生物はシリカレンマという特殊な膜組織をもっていることが知られています。またケイ藻についてはケイ酸を欠如すると細胞分裂が停止することも認められており,ケイ素の必須性は確立しています。

 一方ケイ素含有量が僅かであるにもかかわらず,骨化の初期段階でケイ素が重要な役割を果たしていることを示す状況証拠が得られているヒナドリやラットでは,ケイ素は微量必須元素になっています。

 これらに対して陸上植物ではケイ素含有量の高いものでも,ケイ素を生育に不可欠にしているものはありません。しかし植物体内に集積沈着したシリカの保護作用は,自然環境下で植物が遭遇するさまざまな生物的,非生物的ストレスに対して有用に働きます。したがってケイ素は陸上植物の有用元素になっています。

 生物体中におけるケイ素の存在場所は細胞質の外側の部分です。そしてその作用は機械的,物理的で,代謝への直接的関与は不明ですが,生物の生存に一定の役割を果たしています。生物はケイ素をケイ酸として吸収し,体内のアポプラスト部分にシリカゲルとして沈積しますが,このようにして生じたシリカは無害です。

 生体元素としてのケイ素のこのような特異性(anomaly)は,自然界におけるケイ素の存在形態に由来しています。ケイ素は常に酸素と強く結合していて,シリカあるいはその塩として地殻の大部分を占めています。そして通常の環境下ではイオン化せず分子状のケイ酸として溶けますが,溶解度は低く(2mM),濃度が高まると自然に重合してシリカとなって溶液から分離します。したがってケイ素集積植物は,ナトリウムを集積する塩生植物のように液胞中に隔離したり,ナトリウムを多量必須元素にしている動物のように体液中のナトリウムを一定濃度に保つ工夫をする必要はありません。

生物のケイ素集積性を支えた環境

 ケイ素は環境中に普遍的かつ多量に存在する元素(クラーク数2位25.8%,1位は酸素の49.5%)ですが,ケイ素についで多いアルミニウム(クラーク数3位7.56%)と異なり,生理的に不活性で害作用を呈することはありません。このような元素を生物のあるものは積極的に吸収して利用していますが,何故このようなことが起こったのでしょうか。

 ケイ素は周期表の炭素族の2番目の元素で,炭素(クラーク数14位0.08%)とゲルマニウム(クラーク数43位6.5ppm)の間に位置しています。この三元素はいずれも酸素との結びつきが強く,二酸化炭素(CO2),二酸化ケイ素(SiO2),二酸化ゲルマニウム(GeO2)をつくり,水に溶けると炭酸(H2CO3),ケイ酸(H4SiO4),ゲルマニウム酸(H4GeO4)になります。生物が吸収できるのはこれらの酸素酸ですが,ゲルマニウムは存在量自体がごく微量でpollutionなどの特別な場合をのぞき問題になりません。

 これら三元素の中,生物に最も関係が深いのはいうまでもなく炭素です。すべての植物は光エネルギーを使って,環境中の炭酸(ガス)を数千倍に濃縮します(植物の乾物当たりの炭素含有率は40~50%) 。これに対してケイ素の場合は,ある限られた種類のケイ素集積生物が呼吸エネルギーを使って,これまた数千倍に濃縮します(ケイ藻のケイ素含有率は約20%,トクサ,イネなどでは5~10%)。

 これらの生物ではケイ素が高い分,炭素が低くなっており,たとえばケイ藻の炭素含有率は一般の生物の半分の二十数パーセントです。これはケイ素が支持組織に使われる炭素(光合成産物)を大幅に節約していることを意味しており,ケイ藻が海洋プランクトンの中で圧倒的優位を占めている原因の一つになっています。計算によるとケイ素を固定するために要するエネルギーは,炭素を固定する場合の約三十分のーですむそうです66)

 一方ゲルマニウム酸はケイ酸と非常によく似た吸収のされ方をします。しかし集積したゲルマニウムはケイ素と異なり毒性を呈するので,ゲルマニウム集積生物は存在できません。

 ケイ素集積生物は生物界(なお生物はすべて炭素集積生物です)の一部を占めているに過ぎませんが,そのような形質が淘汰されずに保存されているのは,生物にとって有利であるからです。そしてこれには生育環境が関係します。それはたとえばケイ素集積性をそなえたイネ科植物にみることができます。

 イネ科植物は白亜紀の末に現れ,乾燥化が進むにつれて縄張りを広げ,広大な草原(陸地面積の約四分のーを占める)を形成するようになりました。そしてこの草原に,草食性の有蹄類と直翅類の昆虫(バッタなど)が生息するようになりました。このような環境に対処する手段の一つに,イネ科植物はケイ素を利用しています。

 植物は基本的に動物に食べられる存在ですが,食べ尽くされてしまわないための工夫をそれぞれしています。たとえば双子葉植物は動物にとって有害な,あるいは動物が忌避するような物質(アルカロイドなど)をしばしば含んでいます。これに対してイネ科植物はこのような化学的手段をとらず,体表面を堅くして摂食しにくくするとともに,分裂組織を双子葉植物のように先端部ではなく根元に内蔵し,地上部を食べられても再生できる体制をとっています。そしてこの中,体を強固にするのに土壌から吸収したケイ素をあてています。

 また乾燥に対してイネ科植物はヒゲ根を地中に張り巡らして集水につとめる一方,葉身を細くして葉面からの蒸散を少なくするとともに,ケイ素を用いてクチクラ蒸散を抑える工夫をしています。

 イネ科植物のケイ酸含有率が高いことにはこのような意味がありますが,この特性は捕食動物との共進化によって助長されていったことを示唆する研究があります。

 タンザニアのセレンゲテイ大草原の,草食獣(ヌー)による摂食のはげしい地域の草と軽微な地域の草のシリカ含有率を調査したところ,前者は後者にくらべて有意に高いことが判明しました(平均19.6%と11.9%)。また水耕でこれらに対するケイ酸施用(ケイ酸ソーダをSiとして100ppm)の影響をみたところ,生育量は18%増加し,葉はより直立型になり,またより硬くなりました。つまりセレンゲテイ自生のイネ科植物は,草食獣によって摂食されることによってケイ素含有率が高くなり,またより多くのケイ酸を吸収することによって生育が促進されることが分かりました67,68)

 この二つは摂食圧に対抗するのにケイ素が非常に貢献していることを示しています。これに対して摂食者の草食獣やバッタなどの昆虫の方は口器を発達させてゆき,両者はこの草原生態系において長年にわたって共進化をとげてきたと思われます。また多くの草食獣は,茎葉はたべてもケイ素含有率の特に高い穂は避ける傾向がありますが(穀粒を食用にしているのはノネズミなどの囓歯類),これもイネ科草本の存続に幸いしています。

 遠い昔(石炭紀),羊歯植物のあるもの(トクサなど)にあったケイ酸を積極的に吸収する能力に関係する遺伝子がイネ科植物に再び発現し(?),それが生育環境にマッチしたため,イネ科植物は急速に広がっていったのではないでしょうか。さらにイネ科植物のあるものは人類によって作物化され,近年になって集約栽培が進むにつれて,そのような環境下(密植,多窒素栽培など)でケイ酸の有用性がより現れやすくなり,ついには施肥されるに至りました。

環境中でのケイ酸の役割

 ケイ酸の効用は作物の地上部だけでなく,根圏においても発揮される可能性があります。たとえばケイ酸排除型の作物であるトマトに対しても,ケイ酸添加の効果(あるいは欠如の影響)が水耕栽培で認められる場合があります。ケイ酸を与えてもトマト地上部の濃度は低いですが,根部の濃度は地上部に比べて有意に高くなります。そして培養液のリン酸濃度が高い場合はその過剰吸収を抑え,生育に効果を現す場合のあることが認められています69)

 このように吸水にともなって根のまわりに濃縮されたゾル状あるいはゲル状ケイ酸が,根の養分吸収に影響し養分バランスを改善する可能性があります。最近注目されているケイ酸のアルミニウム害軽減効果もその一つです。

 酸性環境下ではアルミニウムイオンが溶け出し毒性の原因になります。このような時,根や鰓の表面に集積したケイ酸がアルミニウムと反応して毒性を軽減することが,作物や魚について報告されています70,71)

今後の問題

 わが国が古来主要作物にしてきたイネは,代表的なケイ素集積植物です。そのためイネに対するケイ酸の生理作用についての研究は戦前からありましたが,実用化されるまでには至りませんでした。ところが戦後になって米の増産が急務となる中で,広く分布していた老朽化水田におけるイネの秋落ち現象の改善にケイ酸の効果が認められ,その一方で製鉄工業からケイ酸含量の高い鉱さいが多量に排出される時代になったのを契機にして,鉱さいの肥料化についての研究が行われるようになりました。その結果昭和30年には「ケイ酸肥料」が世界ではじめて公に認められるに至りました。このような状況の下,ケイ酸の研究は農学分野全体を通じて盛んになり,わが国をケイ酸研究の先進国にしました。

 これに対して欧米におけるケイ酸研究は生物学分野で活発で,その成果としてケイ素の必須性が1950年代にケイ藻で,1970年代には脊椎動物で証明されました。さらに1980年頃から農学分野でも研究が盛んになり,本年9月にはフロリダで最初の国際シンポジウム”Silicon in Agriculture”が開催されるに至りました注)

 ケイ素の生物へのかかわりについて,これまでに蓄積されてきた知見は少なくありませんが,植物に関して今後さらに研究されるべき課題としては次のようなものがあげられます。

 一つは植物根のケイ酸吸収性の違いについてです。植物にはケイ酸を積極的に吸収するものと排除的に振る舞うもの,さらにはその中間型のあることが現象的に明らかにされていますが,これからはその仕組みの解明が必要となります。たとえば,ケイ酸を積極的に吸収する植物にケイ酸トランスポーターが見いだされることが期待されます。ケイ藻についてはすでにケイ酸トランスポーターの単離やそれをコードする遺伝子について研究が行われており72,73),その成果は高等植物にも応用されることでしょう。

 また同じ種類の植物でも,品種によってケイ酸に対して排除的なものとそうでないもののあること(たとえばカボチャのスーパー雲竜と新土佐)が知られていますが,これらの根の組織構造や細胞壁の性質の違いを詳細に比較検討することも,何がケイ酸吸収の障壁になっているのかを知るのに有効な手がかりになるでしょう。典型的なケイ酸集積植物は,カルシウム特にホウ素含有率が低いという特徴がありますが,これらの三つはいずれも細胞壁との関係が深い元素であるので,細胞壁の性質の特徴を反映していると思われます。

 いま一つは養分の吸収と,その体内における分布や存在形態におよぼすケイ酸の影響についてです。ケイ酸が過剰に存在するリン酸,マンガン,鉄,アルミニウムなどの吸収を抑え,あるいはそれらの体内での害作用を軽減することがいろいろな作物について認められていますが,これらの仕組みについても更に詳しいことが明らかになってほしいものです。(おわり)

注)”Silicon in Agriculture”は1999年9月26日から30日までの5日間,FloridaのLargo Mar Resortで開催された。世界19ヶ国からの参加者94名(内日本12名),口頭発表21件(内日本2件),ポースターによる発表39件(内日本6件)であった。Proceedingsは明年Elsevierから出版の予定。なお第2回のシンポジウムは,3年後の2002年に,日本で開催されることになった。

参考文献

65)ケアンズ=スミス著 石川統訳:生命の起源を解く七つの鍵 152頁 岩波書店(1987)

66)J. A. Raven:The transport and function of silicon in plants. Biol. Rev. 58,179-207(1983)

67)S. J. McNaughton et al:Silica as a defense against herbivory and growth promoter in African grasess. Ecology 66,528-535(1985)

68)M. A. Brizuela et al:Silicon concentration of grasses growing in sites with different histories. Ecology 67,1098-1101(1986)

69)三宅靖人,高橋英一,下瀬昇:トマトのケイ酸欠乏症(1)日土肥誌 47,383-390(1976)

70)K. M. Cocker et al:The amelioration of aluminium toxicity by silicon in wheat(Triticum aestivum L. ):malate exudation as evidence for an in planta mechanism. Planta 204,318-323(1998)

71)J. D. Birchall et al:Acute toxicity of aluminium to fish eliminated in silicon-rich waters. Nature 338,146-148(1989)

72)P. Bhattacharya and B. E. Volcani:Isolation of silicate ionophore(s) from the apochlorotic diatom Nitzschia alba. Biochem. Biophys. Res. Commun. 114,365-372(1983)

73)M. Hildebrand et al:A gene family of silicon transporters. Nature 385,688-689(1997)

 

 

植物園の過去の栄光と今後の課題

富山県中央植物園
園長 黒川 逍

 日常の生活の中で気にとめることがなくても,身の回りにある植物や,生活を支えている植物の中に,自生のものではなく人為的に生活の中に組み入れられているものが沢山ある。それらの中には,民族の移動とともに伝えられたものもあるが,伝播や利用の過程で植物園が大きな役割を果たしたものもある。そうした植物のいくつかをとりあげてみると,植物園が過去において果たしてきた輝かしい歴史が浮き彫りになってくる。それと同時に,植物園がこれからの時代に担うべき役割も見えてくるように思われる。

1.植物園の歴史

 現存する植物園のうちで最も古いのは,イタリアのピサで1543年に創られた植物園で,これに次ぐのは,2年遅れて1545年に,パドア,フロレンス,ベロニャなど,イタリアの各都市に創設された植物園である。これらの植物園は薬用植物を紹介するための薬用植物園で,薬として使われる植物のサンプルを展示栽培し,一般の人々の参考に供するとともに,薬用植物を新しく発見するための調査,研究をしていたものと考えられる。

 日本でも,徳川幕府によって寛永15(1638)年に設けられた南御薬園(麻布,広尾),北御薬園(大塚,護国寺)が植物園の始まりで,南御薬閣を,貞享1(1684)年に小石川に移したものが,いろいろの変転を経て,現在の東京大学附属植物園(通称,小石川植物園)として残されているのである。

 15世紀の大航海時代の始まりとともに,ヨーロッパ以外の地域への関心が高まり,それらの地域に産する植物にも興味が向けられた。こうした地域の植物を研究するために,フランスのパリやオランダのライデン大学に植物園がつくられて,世界中から植物が集められ,植物園は単に薬用植物を集めたり,研究したりする場所ではなく,薬用になるかならないかを問わず,広く植物を収集し,研究する機関として発展するに至った。それでも,多くの植物園は王候,貴族の所有物であったから,花の綺麗なものを研究し,それらを庭園に植え,珍しさや華やかさを競うためのものであった。

 しかし,時代とともに植物園は植物そのものを研究する場所としての重要性を増し,植物学の黄金時代の主役として踊り出ることとなった。この時代はまたヨーロッパ各国の植民地全盛の時代でもあり,植物園は植民地政策を支える重要な役割を果たすことにもなった。

 このような歴史を辿ってみると,私達の生活のなかで,あたりまえのように利用されている植物の中には,その導入の過程で植物園が重要な役割を果たしている植物がいくつもあることに気付く。その幾つかについて,さらに具体的に考えてみようと思う。

2.チューリップ

 日本では新潟県や富山県がチューリップの名産地として知られている。これは園芸品種として栽培されているチューリップの産地であって,チューリップが新潟や富山で自生しているわけではない。チューリップの原産地はトルコを中心とする中近東であることは比較的良く知られている事である。中近東から導入されたチューリップの球根が,オランダのライデン大学附属植物園で花が咲いたのは1594年が最初といわれ,その美しさと珍しさから人気の的となり,17世紀の前半,1630年代になるとチューリップは一躍して投機の対象となり,いろんな野生種からさまざまな園芸品種が生み出されたのである。

 この時代に,チューリップの価格は急上昇し,球根一個を2頭立ての馬車や,4.8ヘクタールの土地と交換したというような話が伝えられている。19世紀の初頭にアメリカで生産が始まるまでは,オランダが世界で唯一のチューリップの生産地であり,今日でも世界の中心的な生産地であり続ける伝統が作られ,オランダの経済的発展を支えてきたのである。

3.ゼラニュムと極楽鳥花

 住まいの窓辺を飾っているゼラニュムの花は,いかにもヨーロッパらしい雰囲気をかもし出しているが,ゼラニュムはヨーロッパ原産の植物ではない。極楽鳥花は貴族を象徴するような高貴な華やかさを備えているが,これもヨーロッパの植物ではない。これらの植物を,アフリカからヨーロッパヘ導入したのはマッソン(F. Masson 1741-1805)である。彼はイギリスのキュー植物園からアフリカヘ送り込まれた植物探検家であった。1772-75年にかけて彼はアフリカの各地で植物を採集し,約50種のゼラニュムを含む,400種以上の植物をキュー植物園ヘ送ったのである。その後,ゼラニュムはヨーロッパ中の住まいやアパートの窓辺を飾るだけではなく,世界中で観賞用に栽培される品種を開発する原材料となったのである。

 切花や公共の空間を飾る豪華な花として人気のある極楽鳥花も,マッソンによってアフリカからヨーロッパに導入された植物である。この植物の花が,はじめてイギリスで咲いたとき,花の形が極楽鳥の頭部にそっくりで,色は極楽鳥に負けないほど鮮やかであったから,園芸家だけでなく一般の人の誰もがアッと驚いたといわれている。なお,この時代に植物園を経由して一般に親しまれるようになった園芸植物には,各種のエリカをはじめ,アロエやプロテアなどがある。

4.ゴムとコーヒー

 ブラジルのアマゾン川の河口部にマナウス(Manaus)という町がある。この町には南米とは思えないくらい豪華なオペラハウスがあることでも有名である。この町の繁栄は,アマゾン地域に特産のゴムの生産によって支えられて居たといわれている。19世紀後半に至るまで,ゴムはアマゾン地域の特産で,世界中のゴムの需要をこの地域だけで賄っていたので,ゴムの取引によってもたらされた財力がブラジルを支え,特にマナウスの繁栄をもたらし,その象徴がオペラハウスであるといわれている。

 ゴムの世界的な需要に目をつけたのが大英帝園である。ゴムの生産を保護するために,ブラジル政府は苗木や種子の国外への持ち出しを厳禁していたのに,イギリスから派遣された植物探検家が7万粒にも及ぶ種子を持ち出し,イギリスのキュー植物園ヘ送り出したのである。このときブラジル政府は軍艦を派遣して追跡したのであるが,ついに取り逃がしたといわれている。7万粒の種子は,キューの植物園で大事に育てられ,そのうち発芽したものは3000と伝えられている。これらの実生は大切にケースに入れられ,スリランカの植物園ヘ送られて試作されたがうまくいかず,さらにシンガポールの植物園ヘ送られて,マレ一半島で試作して,ようやく栽培に成功したのである。

 19世紀後半から20世紀前半にかけて,ゴムの生産はますます重要性を増し,マレ一半島で生産されるゴムは,世界の生産量の大部分を占め,その利益は大英帝國の繁栄をえる大きな原動力ともなったのである。また,ゴムの生産は現代の車社会を支える影の主役とも考えられる。太平戦争の当初に,日本軍がまっさきにマレ一半島に進出したのも,軍事に必要なゴムを確保するためであったといわれている。

 世界の熱帯圏で広く栽培されているコーヒーについても植物園が深くかかわっている。古くからアラブの各国で愛用されていたコーヒーを世界中に広めたのはヨーロッパの植物園である。コーヒーを産する植物としては,北アフリカ原産のアラビアコーヒーノキと,ロブスターコーヒーノキの2種が主なものである。

 オランダのライデン,およびアムステルダムの植物園の仲介でオランダ領印度支那(現在のインドネシア)のジャバ島に移されたロブスターコーヒーノキは,現在のロブスターとして,スマトラ島に導入されたアラビアコーヒーノキは,現在のマンデリンの生産に繋がっている。パリの植物園の仲介でジャマイカに伝えられたアラビアコーヒーノキは,とくに品質に優れており,今日ではブルーマウンティンとしてもてはやされている。このようにしてコーヒーの飲用が普及し,それが更にコーヒーノキの栽培を広め,現在では世界中の熱帯でひろく栽培されるようになったのである。

5.植物園のこれからの役割

 18世紀末から19世紀にかけて発見された数々の植物は,人々の食生活を豊かにし,活発な経済活動を支え,商業の発展を促し,これらの植物から作り出された園芸植物は生活に潤いを与えてきた。その裏には,植物園の地道な活躍と植物学の発展があった。この時代を植物学の黄金時代と呼ぶ人があり,植物園も歴史の表舞台で華やかな業績を残してきた。

 ところが,20世紀に入ると,植物園の存在は忘れられることが多くなってしまった。それでは,植物園の役割は終わったかといえば,そうではない。植物を収集し保存する事の意味は,ますます重要性を加えている。もちろん,研究面における役割分担は以前とは違い,例えば,園芸植物の開発については,園芸試験場があり,農作物の改良のためには農業試験場があって,それぞれ専門的な研究を進めている。

 しかし,いまだかつて利用されたことのない野生の植物を園芸植物や農作物として利用しようとする場合,その植物がどんな環境に生育し,どんな生理的な特性をもち,どんな遺伝的な特性を持つかなど,さまざまな情報が必要になってくる。こうした情報とともに生きた植物そのものを提供できるのは植物園をおいてない。したがって,植物園では出来るだけ多くの植物を生きた状態で保存し,必要に応じて提供できなければいけない。

 出来るだけ多くの植物ということになれば,開発によって絶滅が危惧される植物も当然含まれることになる。絶滅を危惧される植物については緊急の保護対策が必要とされ,やむをえない場合には植物園で保護し,保存することの重要性が広く認められている。日本では絶滅危惧植物に対する植物園の対応の遅れが指摘されているが,その一つの対策として,地域の植物園がそれぞれの地域の植物相を持続的に調査し,そこから選び出された地域の絶滅危惧植物の保存に当たることが期待され,必要に応じて植物園相互の協力態勢を組むことが望まれる。佐渡のトキの悲劇を,植物で繰り返してはならないのである。

 このような植物園の役割を果たすためには,多くの人々の理解と応援が必要である。したがって,植物園は多くの人々にとって楽しい場所である必要がある。植物を楽しむといえば,まず,花の美しさを楽しむことであろう。しかし,植物のさまざまな形の変化や,これが植物かと思うような変わった形の植物,夜だけしか花が咲かない植物などが楽しめるし,染物に利用されている植物,繊維を利用する植物,素晴らしい香りをもつ植物など,人間生活との繋がりを学ぶのも植物園である。

 したがって,植物園は美術館や博物館と並んで,社会教育機関あるいは生涯学習施設としての役割を合わせ持っているともいえる。植物園における植物観察会,講習会,講演会などは,こうした意味で楽しんでもらいたいものである。最近では,自分自身が参加できる催しが歓迎され,参加型のオリエンテーリング,親子でドングリで遊ぶ催しなどが,多くの植物園で企画され,喜ばれている。

 富山県中央植物園が,とくに力を入れているものとして植物画の普及がある。最初は講習会で手ほどきを受け,希望者は同好会に参加し,月一回自主的に植物園に集まって情報を交換するのであるが,月日を重ね,上達するにしたがって,植物画を描く楽しみがますます増大するようで,現在では会員が80名を越す盛況である。植物園には花を観賞する楽しみだけでなく,いろんな楽しみ方が一杯あることを知って欲しいものである。

 

 

’99年本誌既刊総目次

<1月号>
§政策展開に即した研究開発
 チッソ旭肥料株式会社
 社長 太田 孝
§植木類の挿し木繁殖における培地および肥料の影響
 千葉県農業試験場 花植木荷隣室
 研究員 柴田 忠裕
§ケイ素の生物学-1-
 京都大学名誉教授
 高橋 英一
§セルトレイ全量施肥によるキャベツ栽培
 -キャベツは一発施肥で-
 鹿児島県農業試験場大隅支場 土壌改良研究室
 室長 上村 幸廣

<2月号>
§家畜排泄物堆肥によるキャベツ栽培
 -堆肥でキャベツ栽培-
 鹿児島県農業試験場大隅支場 土壌改良研究室
 室長 上村 幸廣
§ケイ素の生物学-2-
 京都大学名誉教授
 高橋 英一
§JA十和田市の水稲箱育苗における口ンク424-M100及びロング入り苗箱専用肥料の導入経過と現状について
 JA十和田市藤坂支所 経済課
 調査役 杉山 久
§芝草管理における肥効調節型肥料の利用
 篭坂ゴルフクラブ
 富士高原ゴルフコース管理部
 部長 薗部 博

<3月号>
§全量基肥による水稲乾田直播栽培の実証
 福島県農業試験場 農芸化学部
 部長 武田 敏昭
§ケイ素の生物学-3-
 京都大学名誉教授
 高橋 英一
§被覆尿素を用いた水稲の早期全量基肥施肥法の開発
 長野県農事試験場 土壌肥料部
 研究員 上原 敬義

<4月号>
§北海道における被覆肥料を利用した露地野菜栽培
 北海道立中央農業試験場 環境化学部
 研究職員 奥村 正敏
§ケイ素の生物学-4-
 京都大学名誉教授
 高橋 英一
§ごぼう栽培における被覆肥料の利用
 青森県十和田市農業協同組合
 農産担当 斗澤 康広

<5月号>
§ミミズは土の健康診断に有効か(1)
 東北農業試験場 畑地利用部
 上席研究官 中村 好男
§ケイ素の生物学-5-
 京都大学名誉教授
 高橋 英一
§和歌山県のウメ産地の現状と衰弱させない施肥のあり方を考える(1)
 和歌山県立南部高等学校
 教諭 谷口 充

<6月号>
§春ハクサイ+スイートコーンにおけるワンショット施肥
 鹿児島県農業試験場大隈支場 園芸研究室
 研究員 池澤 和広
§ケイ素の生物学-6-
 京都大学名誉教授
 高橋 英一
§中山間地域における日射量分布推定とその活用
 富山県林業技術センター 林業試験場
 主任研究員 中井 正樹
 (前 富山県農業技術センタ一 山村特産指導所)

<7月号>
§ミミズは土の健康診断に有効か(2)
 東北農業試験場 畑地利用部
 上席研究官 中村 好男
§ケイ素の生物学-7-
 京都大学名誉教授
 高橋 英一
§和歌山県のウメ産地の現状と衰弱させない施肥のあり方を考える(2)
 和歌山県立南部高等学校
 教諭 谷口 充

<8月号>
§植物の生存戦略-アレロパシー-
 チッソ旭肥料株式会社 技術部
 技術顧問 安田 環
§塩化カリウムの施用が水稲による施肥窒素利用率および大豆の根粒着生に及ぼす影響
 東北農業試験場 地域基盤研究部 低温ストレス研究室
 室長 田村 有希博
 (前 富山県農業技術センター 農業試験場土壌肥料課)
§ケイ素の生物学-8-
 京都大学名誉教授
 高橋 英一
§九州・熊本における野菜の肥効調節型肥料の利用
 チッソ旭肥料株式会社 福岡支店
 技術顧問 東 隆夫

<9月号>
§他感作用の強い植物を利用した農地管理(その1)
 今すぐ利用可能な被覆作物:ヘアリーベッチ・ムクナ・ナタマメ
 農業環境技術研究所 他感物質研究室
 室長 藤井 義晴
§ケイ素の生物学-9-
 京都大学名誉教授
 高橋 英一
§米の食味に対する土壌タイプ及び施肥窒素の影響
 富山県環境科学センタ一 生活環境課
 副主幹研究員 岡山 清司
 (前 富山県農業技術センター 農業試験場 土壌肥料課)

<10月号>
§他感作用の強い植物を利用した農地管理(その2)
 導入あるいは復活が望まれる作物:ヤムビーン・オカ・ヒガンバナ
 農業環境技術研究所 他感物質研究室
 室長 藤井 義晴
§ケイ素の生物学-10-
 京都大学名誉教授
 高橋 英一
§阿蘇地域の水稲「コシヒカリ」に対する肥効調節型窒素肥料と湛水直播栽培の可能性
 熊本県農業研究センター 高原農業研究所
 技師 田中 幸生

<11月号>
§被覆肥料とドリップ潅水を組み合わせた新しい水耕法
 農業環境技術研究所 環境資源部 水質管理科
 科長 今井 秀夫
§ケイ素の生物学-11-
 京都大学名誉教授
 高橋 英一
§被覆肥料を使用した砂丘地ダイコン栽培における施肥改善対策
 新潟県農業総合研究所 基盤研究部
 主任研究員 本間 利光

<12月号>
§緩効性被覆肥料を用いた中晩柑に対する施肥合理化技術
 愛媛県立果樹試験場 生産環境室
 主任研究員 石川 啓
§ケイ素の生物学-12-
 京都大学名誉教授
 高橋 英一
§植物園の過去の栄光と今後の課題
 富山県中央植物園
 園長 黒川 逍
§’99年本誌既刊総目次