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「環境影響に配慮した被覆肥料の開発と販売について」

「環境影響に配慮した被覆肥料の開発と販売について」

2023.12.25

環境

ジェイカムアグリ株式会社は、肥料を中心とした農業資材の生産と販売を通じて、わが国
の食を支える農業の持続的な発展に取り組んでいます。
このほど、環境影響に配慮した被覆肥料の開発について一定の成果が得られたため、研究
開発状況と販売予定についてお知らせいたします。

被覆肥料は、肥料粒の表面を樹脂(プラスチック)などで被覆することにより、水田や畑
にて肥料成分の溶出量をコントロールできるよう開発された肥料です。初期の肥料溶出を
抑制し肥効が長期間持続できることから、作物が必要とするタイミングに合わせた養分供
給が可能です。
その結果、作物が効率的に肥料を吸収できるため施肥量の削減とともに、肥料成分の流亡
や揮散による環境影響の低減が可能であり、環境に配慮した施肥に貢献してきました。

ジェイカムアグリ株式会社は、持続的な農業生産に寄与する新しい被覆肥料の開発を進
めてきましたが、減プラ対策となる被覆肥料「J コート®」の開発と販売予定について報告
いたします。
また、生分解性樹脂を使用し自然環境で分解可能な被膜による被覆肥料について、
一部の市販銘柄と同等の溶出抑制機能をもつ開発品が得られたことを報告いたします。
引き続き新しい「J コート®」の普及や生分解性樹脂等による被覆肥料の開発は、JA 全農
など関係機関の協力のもと進めて参ります。

1.プラスチック使用量を削減した被覆肥料の開発と販売について

被膜に含まれるプラスチック量を削減し、従来品(「LP コート®」、「エムコート®」)と同
様の溶出抑制機能を有し、かつ被膜殻崩壊性の高い「J コート®」を開発してきました。この
ほど、従来品のプラスチック量の4割削減を実現した新しい「J コート®」の開発が完了し、
販売スケジュールが確定しました。
従来品の被膜には、天然鉱物とともに約 50%のプラスチックが含まれていますが(肥料
1粒当たり約 5%)、新しい「J コート®」は被膜に含まれるプラスチックを約 30%まで削減
しました(肥料1粒当たり約3%)。
加えて、従来品の被膜殻より崩壊性が高く、被膜殻が水面に浮上しにくいことから、水田
からの流出を抑制できます。さらに流出防止策(浅水代かき、自然落水、水田流出口のネッ
ト設置など)を組み合わせることで、河川や海洋への流出を防ぐことができます。
現在、新しい「J コート®」の増産体制の構築を進めており、主要銘柄については 2024 年
度内の上市を予定しています。

2.生分解性樹脂による被覆肥料の開発について

被膜に生分解性樹脂を利用し、肥料溶出後の被膜殻が自然環境で分解できる被覆肥料の
開発を進めています。このほど、実験室内ではありますが、一部の被覆肥料銘柄について従
来品とほぼ同様の溶出抑制機能を有する被覆肥料が開発できたことを報告いたします。
開発品は 100 日タイプ、リニア型であり、それ以外の短期、長期タイプまたはシグモイ
ド型は現在開発中です。今後、研究を重ねて銘柄やタイプの拡充を進め、2030 年の普及を
目指して開発に取り組んでいます。